円形脱毛症の治療方法と治療経過【髪が生えてきましたよ!】画像あり
2015年9月21日更新
母が2度目の円形脱毛症になり、病院で治療することになりました。
治療を始めてからこれまでの経過を記録してありますので、順番に記載していきたいと思います。
円形脱毛症の治療方法
まず、治療方法です。
- 定期的に病院に通って患部に紫外線を照射する。
- 毎晩、育毛剤(フロジン外用液)をつける。
この2つだけです。このシンプルな治療を始めてから、1ヵ月も経たないうちに髪が生えてきています。
紫外線の照射には、VTRAC(ヴィトラック)というUVB照射器を使って治療を行っています。
UVBは紫外線B波のことです。肌が真っ赤になって日焼けするのは、この紫外線B波の影響なんですね。日焼け止めにSPF20などと表示されているのは、紫外線B波をどれくらい防ぐことができるのかを示したものです。
このあたりの情報については、美容にうるさい女性のみなさまは、よくご存知ですよね。
美肌に大敵の紫外線を照射することが円形脱毛症の治療になるなんて、なんだか不思議な気がします。
フロジン外用液の使い方
病院で処方されたフロジン外用液の使い方をご説明します。
下の写真がフロジン外溶液です。
ご覧のとおり、脱毛症・白斑用剤と記載されていますね。濃度は5%です。
第一三共株式会社が販売しています。
用法・用量
脱毛症・乾性脂漏の場合
1日2~3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ軽くマッサージします。
尋常性白斑の場合
1日3~4回適量を患部に塗布します。
フロジン外用液の容器の後ろ側に、上記のように記載されていました。被髪部というのは、髪が生えている部分という意味です。
フロジンは、下の写真のように、きれいな緑色の液体です。
注意事項
本剤は外用薬ですから、飲まないでください。
本剤は目に入るとしみますから、目に入れないように注意してください。
とのことです。
皮膚科の先生がおっしゃるには、患部だけでなく、他の薄毛が気になるところにつけてもいいそうです。
治療経過
では、円形脱毛症の治療経過を見ていきますね。
ご存知のとおり、UVBは目や肌にはよくない影響を与えるものです。ですので、治療のときはサングラスをして目を保護し、患部以外の部分にUVBが当たらないように、黒い布で覆ってから行います。
2月
【2月20日】
初診の日です。初めてなので、まずは1分間の紫外線照射を行いました。
ケロイドのような色になっていた頭皮がわずか1分間の治療で、自然な肌色になったと喜んでいました。
しばらくは、週2回のペースで病院に通うことになります。
※ 以下、分で表しているのはUVBを照射した時間です。
【2月23日】
3分間。
前回、自然な肌色になったと喜んでいたのですが、実は、肌色が赤くならないと効果がないとのことでした。
さて、母の頭皮は赤くなってくれるのでしょうか?
【2月26日】
4分50秒。
頭皮の色にはまだ変化がありません。
3月
【3月2日】
4分50秒。
母の肌はデリケートなので、UVBを照射する時間を短めに設定しているそうです。この日、頭皮が少しだけピンク色になっていました。
【3月5日】
4分50秒。
はげている部分から長い白髪が何本も生えていることに気づきました。長い白髪なので、生えてきたのではなく、前にあったのがずっと残っていたのでしょうね。
「毛穴ができてきているよ」と先生がおっしゃいました。ケロイド状態のときは、まさにつるつるで、毛穴がまったくなかったのです。これはいい傾向です。
よ~く見てみると、下のほうの一部に黒い点々があります。まるで髭が生えてくるときのような感じです。
【3月9日】
6分20秒。
UVBを照射する時間が長くなりました。頭皮がピンク色になっています。はげている部分の下のほうと右のほうに黒い点々が見えます。新しい毛が出てきているみたい。
【3月10日】
この日初めて、頭皮にかゆみを感じました。UVBの照射時間が長すぎたようです。照射時間の調節はなかなか難しいみたいですね。
頭皮のピンク色が濃くなっています。少し炎症を起こしているように見えました。
【3月12日】
この日の治療はなし。
【3月14日】
毎晩、フロジン外用液という育毛剤をつけているのですが、手のカサカサしている部分にフロジンがついてしまって、しみたそうです。でも、敏感になっているはずの頭皮はしみなかったとか。
【3月16日】
6分20秒。
「生えてきてるよ」と先生の診断。治療を始めてから1ヵ月弱です。
右下あたりの髭のように見える毛が前よりも伸びています。毛穴ができているのがはっきりとわかります。頭皮の色は肌色の部分とピンク色の部分がありました。
ここで、治療方法が少し変わります。
UVBを週2回、短めに照射するのではなく、週1回だけ、長めに照射することになりました。
【3月24日】
6分20秒 。「うん、生えてるね」と先生。右下や左上、周囲から産毛が生えてきています。
頭皮はピンクというよりも肌色に近い感じの色に変化しています。毛穴もたくさんできていました。
4月
【4月2日】
6分26秒。
26秒(笑)なんなんだ、この6秒という数字は。これまでの6分20秒というのも、だいたいの時間だったようで、実際は半端な数字のようです。
細かい秒数は看護師さんによってキッチリ伝える人とおよその数字を伝える人がいるみたいですね。
この細かい数字は物理学の問題だそうですよ。理系の頭がないと、お医者さんにはなれないんだなぁ。
紫外線の照射時間は、母が毎回、「今日は何分?」とたずねて教えてもらっています。自分で聞かないと、いちいち伝えてくれないんじゃないかな、たぶん。
「生えてきてるよ。頭皮を触ったときにわからへんか?」と先生。
治療はまだ続きます。いつまで紫外線照射を行うのでしょうか。
【4月7日】
8分ちょっと。
照射時間が長くなりました。生えてきているのに長くするんですねぇ。
短い毛がたくさん生えてきています。でもなぜか、ほとんどが白髪なんですよ。 「つくしみたいやなぁ」と先生がおっしゃっていたそうです。
【4月13日】
8分ちょっと。
「紫外線の照射時間、もうちょっと長くしよか、やめとこか」と判断が難しい感じ。「もっと伸びててもええんやけどなぁ」という先生の考察。伸び具合が少し遅いということのようです。
【4月20日 】
8分ちょっと。
「左半分がよく生えてる」と先生。
【4月27日】
9分40秒。
またまた、照射時間が延びました。
「おくゆかしいなぁ」と先生の診断。母の場合、生えてくるペースがゆっくりめとのことです。
5月
【5月7日 】
9分40秒。
「わぁ、連休中に一気に伸びてるわ」と、先生からの嬉しいお言葉。黒くて短い毛がたくさん生えてきているのがわかります。
この日、母がUVB照射器の裏側をチラ見したそうです。ダイヤル1は○○分、ダイヤル2は○○分という風に設定されていることがわかりました。
どのダイヤルに合わせるのか、ここは先生の腕の見せ所です。
【5/14】
9分40秒 。
「うん、順調に生えてきてる」と先生。いい感じです。
突然の夏日で、母の頭皮は汗びっしょりでした。それを見た看護師さんが「夏は暑くて大変ですね」と声をかけたところ、「夏までかからんのちゃうか」と先生がおっしゃったとか。
先が見えてきました。
夏の暑い日に、黒い布をかぶって治療を受けるのはキツイですから、夏前に完治してくれるとありがたいです。
【5/21】
9分40秒 。
手で触るとフサフサした感じ。かなり伸びてきています。
白髪と黒髪が入り混じっているのですが、この短い白髪は黒髪に変わるのでしょうか?
【5/28】
9分40秒 。
「かなり伸びてる」と先生の診断。
「治療はいつごろまでかかりますか?」と母が看護師さんに尋ねると、「う~ん、もう少しかかるかな」との返答がありました。
この時点では、白髪が目立たなくなっていて、ほぼ黒髪に見えます。相変わらず、ピロロロ~ンとした長い白髪はありますけれど。
これだけ生えてきているのだから、もう治療を終了してもよさそうに思うんですけれど、まだかかるんですねぇ。
6月
【6月4日】
8分ちょっと。
しばらく9分40秒だった紫外線の照射時間が少し短くなりました。これは、5月最後の治療後に、3日間ほど頭皮が赤くなって、刺激を感じたからです。
来週の治療はお休みして、次回は2週間後ということになりました。
パーマをかけてもいいとのことだったので、お休みの週に母は美容院でゆるいパーマをかけてもらっています。もちろん、患部にはパーマ液がつかないように気をつけてもらって。
6月14日に結婚式に参列するので、ヘアスタイルを華やかにしたかったんです。
これまでは、患部が丸見えにならないようにヘアピンで髪を留めて隠していたのですが、もうヘアピンを使わなくても大丈夫になりました。黒髪がたくさん生えてきていますし、ゆるいウェーブがうまく患部を隠してくれています。
【6月18日】
8分ちょっと。
この後、母の頭皮に異変が起こります……。
【6月19日】
患部にかゆみのような刺激を感じました。
【6月20日】
何気なく頭皮を触ってみると、患部が腫れているではありませんか!右側の正常な頭皮と比べると、明らかにおかしい。ぷっくりと膨らんでいるのです。
それだけではありません。軽く押してみると、黄色っぽい分泌液が出てきました。
いったい、どうしたことでしょう……!?紫外線を当てる時間が長すぎたのでしょうか?
この日は用事があったため、病院に行くことができません。朝のうちに病院に電話をして症状を伝えました。看護師さんが電話に出てくれて「少し様子をみましょうか」と話してくださいました。急を要するというわけではないみたいだったので、一安心です。
汗と分泌液で髪が地肌にくっつくので、髪留めで髪を留めて、患部に空気を当てて乾かすようにしています。パッと見ただけでも、頭皮が赤みをおびているのがわかります。
この日の晩は、シャンプーを使わずにお湯のみで洗髪することにしました。
6月22日に病院で診てもらうことになっています。どのような診断結果が出るのでしょうか。なかなかすんなりとはいかないものなのですね。
「ずい分生えそろってきていたんだから、5月の時点で治療を終えればよかったんちゃう?」なんて思ってしまいます。
【6月22日】
ぷっくり腫れて、分泌液まで出てきている母の頭皮。先生の診察の結果は……。
「やけどやな」とあっさり(笑)
「やけどやなって、アンタがUVBを当てすぎたんちゃうのん!」とつっこみたくなりましたわ。
下の写真は、6月22日の頭皮の状態です。
赤くなって痛々しいですね。写真の中央、ちょっと左下に黄色い小さな塊がいくつか写っています。これは、頭皮から出た分泌液が固まったものです。
そういえば、真夏に富士山のてっぺんまで登った人が、顔を真っ赤に腫らしていたことがありました。やけどで肌が赤く腫れたり、分泌液が出たりするのですね。
どうやら、先生が欲張って?UVBを照射しすぎたということのようでした。
もう、髪の毛は十分に生えてきているので、UVBでの治療は終了。後は、やけど状態の頭皮を元に戻すのみです。
リンデロンという塗り薬を塗って治療していきます。リンデロンは、抗炎症作用があるお薬で比較的よく使われているようです。皮膚疾患だけでなく、内科、産婦人科、泌尿器科、眼科、歯科など、広範囲にわたる病気の治療に有効だそうです。
母がもらってきたリンデロンの容器には、「あたま用」とでっかい文字で記載したシールが貼ってありました。
「次は、お薬がなくなったら来てください」とのことでした。
【6月23日】
6月23日の時点では、もう分泌液はほとんど出なくなり、頭皮の赤みもひいてきていました。リンデロンが効いたのでしょうか。
7月
上旬に治療完了!!!
リンデロンがなくなったので、病院に行って診てもらったところ、今回で治療完了ということになりました。パチパチパチパチパチ。
【7月18日】
7月18日に撮影した患部の写真がこちらになります。
どうですか?
痛々しかった赤い肌がすっかり落ち着いて、健康な頭皮の色に戻っています。円形脱毛症だったとは思えないくらいに黒髪が生えそろってきています。この記事の一番最初に載せた写真と見比べていただくと、その差がよくわかります。
はげている部分に常にあった長い白髪ですが、今もはっきり見えますよね。ところが、よ~く見てみると、根元の方が黒いんです!つまり、伸びてきている部分は黒髪なんです。なんだかちょっと不思議な感じ……。
白髪を残しておくのもなんなので、黒髪との境目でカットしておきました。
もう、風が吹いて地肌が見えても、円形脱毛症だとは誰も気づかないでしょう。ヘアピンで隠す必要もなくなりました。
8月
もうね、ふっさふさですよ。黒くてしっかりした髪がびっしり生えています。
円形脱毛症だったという形跡はまったくありません。
9月
9月の始めごろのことです。
「最近、抜け毛が多いみたい……」と母がいうのです。「まさか再発!?」と一瞬思ったものの、たぶん、季節的な抜け毛じゃないかなぁと予想しています。秋だから。
9月13日に、母は美容院へ行きます。そのときに、頭皮を隅々までチェックしてもらうそうです。再発ではないことを祈ります。
美容院へ行った結果
行きつけの美容院で、母が頭皮に脱毛している部分がないかどうか、よ~く診てもらった結果。
まったく問題ありませんでした!!
円形脱毛症だった側頭部をチェックしてもらったところ、「うわぁ、きれいやなぁ。(脱毛していたなんて)全然わかりませんよ。白髪もないし。」との嬉しいお言葉。
完全に治っていますね。
生え始めた頃、白かった髪の毛が全部黒くなっているのが不思議です。しかも、つやのあるきれいな黒髪なんですよ。
円形脱毛症って、結構、簡単な治療で治るものなんですね。見た目は恐ろしさすら感じますけれど、そんなに怖がる病気ではないのかなぁと感じています。
円形脱毛症で治療中のシャンプーの仕方
皮膚科で治療を受けている間のシャンプーの仕方について書いておきますね。
毎日シャンプーしてもOK
治療中も、いつもどおり毎日シャンプーしても大丈夫です。
というより、毎日洗ったほうがいいです。育毛剤をつけるのだから、頭皮は清潔にしておかないといけません。丁寧に洗ってから、フロジンを塗布します。
シャンプーの選び方
治療中は、母のように、UVBの当てすぎで頭皮に炎症を起こす可能性があります。ですので、赤くなった頭皮を優しく洗浄してくれるシャンプーが最適です。
なるべく刺激物が少ないものを選んでくださいね。