日々これきらり

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土用の入りの日に食べる土用餅とはなんぞや?

2015年7月20日は土用の入りです。

土用の丑の日にうなぎを食べるというのは定番ですが、土用餅は食べますか?

土用餅は、うなぎほど知られていないのかな。私が住んでいる関西地方では食べる習慣がありますけれど、全国的に食べるわけではないようですね。

今日、おなじみ鼓月の土用餅をいただきました。

パッケージはこんな感じです。勢いのある達筆でございます。

「鼓月」の土用餅のパッケージ

中身はこんな風になっています。

粒あんとこしあんの土用餅

小さめの上品なあんころ餅が5つ。粒あんが3つにこしあんが2つ入っています。

土用の入りと土用の明け

2015年7月20日は土用の入りです。入りがあるということは終わりもあるということになります。土用の終わりは土用の明けといいます。

2015年の土用の明けは、8月7日になります。

2015年の……と書いたのは、入りも明けも、年によって変わるからなんです。

土用は年に4回ある

「そもそも土用って何?」という話になりますが、土用というのはある期間を示す言葉なんです。

立春、立夏、立秋、立冬と、日本の暦には4つの節目があります。この季節の節目の日の前にある約18日間を土用といいます。

立春は、今日から春ですよという目安になる日。立夏は、今日から夏ですよという節目の日。つまり、土用とは、季節が変わる前の18日間ということになります。

土用が明けると、季節が移り変わったということになるんですね。

土用といえば夏というイメージが強いですが、実は4回もあったとは!

土用の丑の日

一般的に、土用の丑の日として知られているのは、夏土用の丑の日です。

丑は、十二支「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)」の丑ですね。

2015年丑の日は、7月24日です。

2回目の丑の日

夏土用の丑の日は、1回だけとは限りません。年によっては、2回目の丑の日があることも。

2015年がまさにその年。2回目の丑の日は、二の丑と呼ばれています。2015年8月5日が二の丑に当たります。

土用の丑の日の食べ物

先に書いたように、本来は土用は年に4回あるのですが、現代では土用といえば、夏土用をさす言葉になっています。

この時期は気温が高い日が続き、夏バテなどで体調を崩してしまう人が多くなります。そこで、夏の暑さから身体を守るために、元気が出る食べ物を口にして、精をつけようという習慣が広まりました。

うのつく食べ物

丑の日にちなんで、「う」のつくものを食べて暑さを乗り切ろうという日本の習慣。「丑の日だからうのつく食べ物って、ただのこじつけやん」と思いきや、意外と理にかなっているんですね、これが。

うなぎ

まずは、外せないのがうなぎですよね。

うなぎには、疲労回復効果のあるビタミンB群や抗酸化作用で知られているビタミンEが含まれています。筋肉の元となるたんぱく質も豊富です。

さらに、今話題のDHAやEPAも摂れるんです。DHAやEPAは、サプリメントで補っている人が多いですよね。

しかも、うなぎにはビタミンAがたっぷり。ビタミンAは、目の健康に欠かせない栄養素です。パソコンやスマホの画面を凝視する時間の長い人にはうってつけじゃないですか。

こうして見てみると、夏バテ気味の現代人にピッタリの食材かも。でも、ちょっと高いですよねぇ。もう少し安くならないものかしらん。

梅干

私の場合、「なんだかちょっと、しんどいなぁ」という日には、自然と梅干に手が伸びます。

梅干の酸っぱさがダメ……という人は結構いらっしゃいますけれど、私は逆で、「酸っぱくなければ梅干じゃない!」派です。ハチミツなどを加えて、甘くしたものは苦手なんです。

梅干にはクエン酸が含まれています。クエン酸は、体内のブドウ糖からエネルギーを生み出すときに欠かせない物質です。

「疲れがたまっているなぁ」と感じたときは、エネルギーをつくる力が落ちてしまっています。こういうときにクエン酸を摂取すると、エネルギーの生産力が復活して、活力を取り戻せるわけです。

また、梅干は胃腸に優しい食べ物でもあります。夏場に冷たいものを食べ過ぎたり、お腹を出して寝ていたことで、胃腸を壊してしまった経験、一度はあると思います。こういうときこそ、梅干の出番ですね。

梅干には食欲を増進させる働きもあります。夏場、あまり食べられなくなるという方にも重宝する食材です。

ウリ科の食べ物は今が旬です。キュウリ、スイカ、メロン、冬瓜、ズッキーニ、ゴーヤ……。いろいろありますよ。

今日、近所の方がつくっているゴーヤをいただきました。ドン!

とれたてのゴーヤとナスとトマト

収穫したばかりのとっても新鮮なお野菜です。

先日もゴーヤをいただいたのですが、これがほんとにおいしくて。スーパーに並んでいるものとは違って、とれたてだからでしょうね。苦味でさえ、みずみずしい印象です。思わず、「めっちゃ、おいしい!」と口に出していましたから。

でね、とれたてのゴーヤを食べると、なぜか身体が喜んでいるように感じるんですね。「旬のものには何かしらのパワーがあるんだなぁ」と実感しました。

ありがたいことです。

うどん

うどんって、食欲があまりないときでも食べられますよね。つるつるっと。

近所のうどんやさんも大繁盛で、てんてこまいの様子。夏休みに入ったこともあって、子連れの家族がわんさか食べに来るそうです。そのほとんどが冷やしうどんをご注文。氷で冷やすの、追いつかないくらいなんですって。

冷やしうどんに梅干の実をほぐして混ぜ合わせるとおいしいですよ。食欲減退気味の方にピッタリの夏メニューです。

土用餅

土用餅は、昔、宮中で食べられていたものです。元々は、お汁に小さく丸めたお餅を入れて、土用の入りの日に食べていました。

その後、江戸時代になってから、お汁ではなく、あんこをからめて食べるようになったとのことです。

お餅は力餅、つまり、食べると力がつくとされています。あんこの材料である小豆には、厄除けの意味が込められています。「土用の入りの日にあんころ餅を口にすれば、夏の暑さに負けず、元気で過ごせますよ」という昔ながらの言い伝えが今でも残っているのですね。

宮中での伝統的な習慣だったためか、土用餅に馴染みがあるのは、京都に近い関西地方や北陸地方の方が多いようです。

鼓月の土用餅

今日、私が食べたのは「鼓月」の土用餅です。「鼓月」は京都の和菓子屋さんですから、あんころ餅が店頭に並ぶのも当たり前ですね。

私の家の近所にある「鼓月」では、土用餅は土用の入りの日と土用の丑の日にしか販売しないとのことでした。次の販売日は、7月24日になります。まさに、今しか食べられない季節限定のお味です。

「鼓月」の和菓子は、「私の口にはちょっと甘すぎるかなぁ」というものが多いので、「口に合わないかも……」と思いながら、こしあんのほうをいただいてみました。想像していたよりも甘さをおさえてつくられていたので、ちょうどいいお味でした。

あんこの中には、白いお餅が入っています。

土用餅を半分に切った様子

食感は、お餅というよりもお団子に近いかな。伊勢名物の「赤福」に似ていますね。「赤福」よりもサラッとした感じで、私はこちらのほうが好きです。

旬の食べ物から、昔の人々の暮らしに思いをめぐらすのも楽しいものですね。クーラーも清涼飲料水もない時代の人々の生活。どんなものだったのかな。

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