日々これきらり

にっこり、ほっこり、きらり。春夏秋冬、毎日の暮らしの中で体験したことやお役立ち情報をつづります。

関西の月見団子は【コレ】じゃない!2015年の十五夜は9月27日です

2015年9月26日更新

お月見に欠かせないのが月見団子です。よく見かけるのが、台の上に三角形に積まれたお団子です。「サザエさん」のようなアニメでも、今ごろの季節には必ず出てきますよね。

下のイラストのように、木でできた台の上にきれいに並べられたお団子。

三方に積まれた月見団子

これねぇ、前々から不思議に思っていたんですよね。なぜって、こんな風に積み重ねられた月見団子を実際に目にしたことは一度もなかったから。

子どものころからずっと、ただの一度も見たことがないんです。我が家ではもちろんのこと、親戚の家でも、ご近所さんでもね。

そして、このイラストのような白くてまん丸のお団子は食べたことがありません。お月見の季節になると、「あの白いお団子は、どんな味なんだろう……」と想像したものです。やたらとおいしそうに見えるんですよね、なぜか。

なぜ一度も見たことがないのか不思議に思って調べてみたところ、関西では、まん丸ではなく、里芋に似せた形の月見団子を食べる習わしがあるということがわかりました。

関西の月見団子

京菓子の「鼓月」で買ってきた月見団子を、今日、いただきました。こんな形のお団子ですよ。

1年のうち、たったの2日間だけしか販売されない月見団子です。

「鼓月」の月見団子

まん丸ではなくて、楕円形に近い真っ白なお団子。お団子を覆うように、中央部分にこしあんが乗っています。まるで、お団子に着物を着せたかのような風情です。

これね、里芋を模してつくられたんですって。

「鼓月」の月見団子

ではここで、「鼓月」の月見団子のお味の感想です。

白い部分はつるつるで、もちもちとしていてほんのり甘いんです。お団子だけでもおいしいです。こしあんはとってもなめらかで口当たりがいいですね。全体的に甘さはおさえてあるほうだと思いますけれど、私の口にはほんの少~し甘めかなぁという感じです。

甘党の方なら、ちょうどいい甘さか、もっと甘くてもいいかなぁって思うかも。小ぶりで上品な大きさです。

里芋料理の衣被(きぬかつぎ)

里芋の皮をむかずに皮ごと火を通してから、塩をつけて食べるお料理を衣被といいます。関西の月見団子の形は、この衣被をあらわしているのですね。

言われてみれば、皮付きの里芋に見えなくもない?

ところで、衣被という言葉には別の意味もあります。

平安時代、身分の高い女性が外を出歩くとき、薄いを頭の上からスッポリって、顔の上半分を隠しているのを見たことありますか?時代劇なんかで、たまに出てくることがありますけれど。

こういう女性の姿や衣のことも衣被といいます。

皮ごと調理した里芋の見た目が、薄い衣を被っている女性の姿に似ていることから、衣被と呼ばれるようになったとのことです。里芋の実の白さは女性の顔の白さに、里芋の皮は頭から被った衣に見えるということだそうです。

里芋を高貴な女性に見立てるとは。昔の人って、感性が豊かなんですねぇ。

芋名月

なぜ突然、里芋の話が出てくるのかといいますと、十五夜には、「芋名月」という別名があるからなんです。

十五夜の頃は、ちょうど芋の収穫期でもあるんですね。月が美しく見える季節と芋の収穫期が重なるため、十五夜は芋名月と呼ばれるようになりました。

元々、お月見という風情のある行事は、貴族など、高貴な人たちが行うものでした。その後、芋の収穫を祝いながら月を愛でる風習が庶民の間でも広まることになります。

月見団子の数と並べ方

この記事の一番上の画像のように、お団子を積み重ねて供える場合の並べ方をご紹介します。

お団子を並べる台は、三方といいます。三方は木製のものが多いですね。

雛人形で、真ん中で座っている三人官女が手に持っているのも三方です。

今の時代、三方が家にあるという家庭はあまりないと思います。わざわざ探して買いに行かなくても、家にある大きめのお皿で代用してもいいですし、お盆を使ってもOKです。

そして、お皿やお盆の上には半紙などの清潔な紙を敷いて、そこにお団子を並べていきます。

十五夜の月見団子の並べ方

十五夜には、15個の月見団子を並べます。

一段目は3個×3で9個。一辺が3個の正方形をつくります。

二段目は2個×2で4個。一辺が2個の正方形をつくります。

三段目は2個。正面から見ると、1個に見えるように縦に並べます。

9個+4個+2個で15個となります。

十三夜の月見団子の並べ方

十三夜には、13個の月見団子をお供えします。

十五夜の並べ方の二段目までと同じです。三段目を省くということになります。

2015年の十五夜

十五夜というだけに、中秋の名月は、秋、すなわち9月の15日だと思い込んでいました。

ところが、これはまったく違います。

十五夜というのは、旧暦の8月15日のことです。そして、十五夜を今の暦に当てはめると、固定された日にはならないんです。毎年、十五夜の日付は変わるということになります。

2015年の十五夜は、9月27日になります。

2015年の十五夜である9月27日は、私が住んでいる地域では、晴れ時々曇りの予報が出ています。降水確率は20%なので、中秋の名月を眺めることができそうです。

2015年の十三夜

十五夜の次には十三夜という日があります。十三夜も十五夜に劣らず、見事な月を見ることができる日とされています。

2015年の十三夜は、10月25日に当たります。

十三夜を知っている人はそれほど多くなさそうですが、10月25日の夜、お天気がよければ、空を見上げてみるのもいいですね。

©2017 日々これきらり